Colorless Life
 人肌脱ぐって・・・、そういう事か・・・・。

 今更ながら、典子に自分の気持ちがばれてしまったことを後悔した・・・。
 告白を決意した日以来、勇治君と話す度に、私の心臓は飛び出しそうになる・・・。
 勇治君と目が合うだけで、鼓動が早くなって、顔が赤くなっていく気がする・・・。
 これじゃあ、まともに勉強できないよぅ・・・・。

 「ねぇねぇ、真田く~ん、私たちも入れて~。」
 そんな私を後目に典子は勇治君に話しかけた。
 勇治君の視線が私の方に向いたから、ドキッとした。

 「ゆ、勇治君ごめん・・・・、私も典子に教えてる途中で分かんなくなっちゃったの・・・。ま、混ぜてもらっても・・・・いいかな?」

 あぁ~・・・、緊張する・・・。
 顔が赤くなっていることがばれないように、うつむき加減で話した。

 「おう!こうなったら、もう何人でもきやがれ!」
 「うほー!頼もしいー!!」
 藤村君たちが歓声を上げた。
 「んじゃ始めるぞ~。まずは二次関数の最大・最小問題から~。」

 私と典子は藤村君たちのそばの席に座った。
 典子は私にまた軽くウィンクした。
 私は眉間に軽くしわを寄せて、口パクで「もぅ」と言った。

 勇治君の説明が始まった。

 私のドキドキを別にすれば、典子の判断は正解で、勇治君は実際すごく賢かった。
 それに、分からない時に質問に行けば、快く親切丁寧に分かりやすく教えてくれた。
 それもまた、彼をクラスの人気者にした要因の1つなんだと思う。

 楽しそうに説明する勇治君を見ていると目が合った。
 本当にいい顔してるなぁ・・・。
 彼の素敵な表情に私は笑顔で答えた。

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