Colorless Life
 私にできること・・・・、それは・・・・。

 勇治君が学校に戻ってくるまで、授業のノートをとり続けること・・・。
 彼が再び高校生活をスムーズに始められるように・・・・。

 勇治君はきっと戻ってくる・・・。
 ううん、必ず戻ってくる・・・・!!!

 勇治君・・・・、私・・・・・待ってるからね!!!

 ペンを強く握り締めて、丁寧に字を書いた。
 ノートの文字も、キリっとした表情で私に答えてくれた。

 勇治君の謹慎期間の10日間が終了した・・・。

 ・・・だけど・・・・。

 勇治君は今日も学校に来なかった・・・・。

 今日は勇治君が学校に来てくれると信じていた私としては、疲労感が倍増した気分だった。
 以前3日間でくたくたになったノート作成を、10日間もよくやったと我ながら感心していた。
 テスト勉強を疎かにする訳にもいかなかったから、ここんとこ寝るのは2時とか3時になってしまっていた。

 剣道の精神鍛錬が役に立ったのかな、なんて考えてみたり・・・。
 というか、テスト期間中で部活がなかったからかも・・・・。
 まぁ・・・・、どっちでもいっか・・・・。
 う~ん・・・・、なんか今日は少し熱っぽいなぁ・・・・。

 小さくあくびをしながら、考え事をしている合間にも授業は進んでいった。

 だめだめ!頑張らなきゃ!
 明日は来る!勇治君は明日こそは絶対来る!
 今日1日が踏ん張りどころだよ!

 そう自分に言い聞かせてノートにペンを走らせた。

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