Colorless Life
 「詩織・・・。」
 「ん・・・・・?」

 「俺・・・お前のことが好きだ。」

 「・・・・・。」

 嬉しかった・・・・はずなのに・・・・。
 どうしても素直に喜べない自分がいた・・・・。
 それはきっと・・・・。

 「好きなんだ・・・・お前が・・・。」
 「勇治君・・・・。それって沢木さん・・の間違いじゃ・・・ない・・・?」

 そう、この不安・・・・。
 彼の中にいる私は・・・、私じゃなくて沢木さんのような気がしたから・・・・。

 「あぁ、違う。俺は、沢木遥じゃなくて、朝倉詩織が好きなんだ。」

 ・・・・・・・・・。

 戸惑うことなく答えてくれた勇治君をみて、ようやく本当の嬉しさがこみ上げてきた・・・。
 と同時に涙があふれてきた・・・。

 「俺・・・、お前に会えて本当によかった・・・・。」
 「私も・・・、あなたに会えてよかった・・・・。」

 勇治君は私の頭をそっと持ち上げて優しくキスをしてくれた・・・。

 「風邪・・・うつっちゃうよ・・・・?」
 「はははっ、どーんときやがれ。」
 「あははっ・・、なにそれ・・・。」
 私たちはお互い、泣きながら笑っていた。

 「勇治君・・・、大好き・・・・・。」

 私たちはもう1度唇を合わせた・・・。

 勇治君の唇は・・・・、優しくてあったかくて・・・・、幸せの味がした・・・・。

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