Colorless Life
 「えっ!?あっ・・・、えっと・・・・。」

 たじろぐ私に新田さんは優しく微笑みかけた。
 「でも、進二君も言ってたけどさ、勇治君が朝倉さんを好きになったのは、朝倉さんが遥に似ているからじゃないよ。勇治君はあなたが遥に似ていなくても、あなたのこと好きになっていたと思うから・・・。」
 「新田さん・・・・。」
 新田さんは少し悲しげな表情になった。

 「朝倉さん、本当にごめんね・・・。色々と自分勝手なこと言っちゃって・・・。」
 「そ、そんな・・!わ、私は大丈夫だよ!・・・新田さんの気持ち・・・、すごく分かったから・・・・。だから、もう気にしないで!ねっ!」
 「・・・・・。ありがと・・・・。」
 新田さんは笑顔に戻った。私も笑顔で返した。

 「それじゃあ・・・、1つお願いしてもいいかな・・・・?」
 新田さんは私の目を見て少し照れくさそうに笑った。
 「ん?な、なに・・?」
 「私と、友達になってもらってもいい・・・・?」

 新田さんのお願い事に対して緊張して構えていた私は、それを聞いて思わず笑ってしまった。
 「・・・ぷっ!あははははっ!そんなことか~。もっちろん!いいよ!!というか私は、新田さんとはもう友達のつもりだったけどね!」
 新田さんの顔が明るくなった。私たちは笑った。
 「本当!?ありがとう!よろしくね!詩織~!」
 「こちらこそ、よろしく!あ・け・み!」

 私たちはまた笑った。

 私たちの爽やかな笑い声は、夏の風に乗って墓地全体を包んでいった。

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