Colorless Life
 私たちは石段を下りていった。

 「いやぁ~、しかしお前ん家は面白いなぁ~。」
 「毎日あんな風なんだよ、ほんとにもう・・・。」
 「はははっ!いいじゃねぇか。楽しくて最高だと思うけどなぁ。」
 「まぁね~・・・、会話が全くないよりは全然いいけどね~。」

 「そういや、おじさんとおばさんのこと、お父さんお母さんって呼ぶようにしたんだな。」
 「うん、だって私、もうあの家族の一員だからね!」
 「あははっ、確かにその通りだ!本当、いい家族だよ、お前んとこはさ!」
 「騒がしすぎるのが玉に瑕だけどね!」
 「あはははっ!」

 私たちは笑った。幸せいっぱいの笑い声が通学路に響き渡った。

 「ところで、ちゃんと勉強してきたのか?」
 「もっちろ~ん!もう、何でも来いって感じよ!」
 「おっ!言うね~。んなら問題出してやろうか~?」
 「どっからでもかかってきなさい!」

 「よ~し、なら不定詞の意味上の主語はどうやって表す?」
 「不定詞の前に“for+人”、人の性質の場合は“of+人”でしょ!」
 「時制がずれてたらどうする?」
 「“to do”のとこを“to have done”に変える!」
 「おっ、いいね~。なら後ろに動名詞しか取れない動詞は?」
 「えっとね~・・・。“mind”“enjoy”“give up”“avoid”“finish”と後は~・・・・“put off”!!」
 「おぉ~っ!よく覚えてるな~。」
 「でしょ~!結構勉強したんだから!」
 「俺の分のノート作ってて、勉強する暇なんて無いと思ってたんだけどな~。」
 「それがね~、2回分ノート書いてるから、そこで結構覚えられてたんだよね~。」
 「あははっ、なるほどな~。あれもそれなりに役に立ったのか。」
 「そういうこと!」
 「あははっ!そりゃ良かった!」

 楽しく話をしていると、あっという間に学校に着いた。

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