Colorless Life
 ・・・予想した通りの結果だった・・・。

 どいつもこいつも・・・、人を殺すことに反対するのがそんなに格好いいのか・・・。

 人の言ったことに便乗して、あたかも自分の意見であるかのような言い方しやがって・・・。

 何より許せないのは・・・、こんな発言を誘導することにも気付かずに、無責任に議題提起したあいつだ・・・。
 再び井上先生を睨みつけた。

 先生は頷きながらこう言った。
 「結構色々でましたね。他にはどうですか?死刑制度に賛成の人はいませんか?」

 ・・・・・・!!!

 俺の中の何かが・・・、音を立てて切れた・・・。

 気がついたら立ち上がっていた・・・。

 先生は俺に気がつくと声をかけた。
 「どうしました?真田君?意見ですか?」

 「・・・・ふざけんな・・・・。」

 「えっ・・?」

 「自分と同じ意見の生徒ばかりで満足か・・・?教師っていうのは、こういう話し合いの時は・・、自分の考えが悟られないように配慮して話すべきなんじゃねぇのかよ!!!!!」
 「!?・・・・・・・。」
 怒鳴りつけたせいで先生は黙り込んでしまった。

 俺は止まらなかった・・・。
 発言した生徒を順に睨みつけながら叫んだ。

 「人の命は尊重されるべきだと?奴は何の罪もない命を奪ってんだぞ!その尊重されるべき命を奪ったような奴の命の尊重ってなんだよ!!!真に尊重されるべきは奪われた側の命じゃねぇのかよ!!!」

 「犯罪者でも更正できる?そんなもん知るか!人を殺しといてのうのうと生きてるような奴に、更正もへったくれもあるか!!!」

 「殺さずに生きて償わせるべき?遺族は犯人が死んでも癒されないだと?自分の家族が、自分の大切な人が、自分勝手な奴の身勝手な行動で殺されたとしても、同じことが言えるのかよ!!!!そんな奴が死なずに生きてることを知りながら毎日過ごさなきゃならねぇ遺族の気持ちが、お前らに分かるのかよ!!!!!!」

 「ゆ、勇治!落ち着け!」
 進二が慌てて立ち上がり、俺を宥めようとした。

 俺は進二も睨みつけた。

 クラス全体を見渡した。クラスは静まり返っていた・・・。
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