Colorless Life
 駐輪場に自転車を止めて下駄箱に向かった。

 下駄箱は生徒達で賑わっていた。今日はクラス発表があるからだ。
 自分のクラスを確認しようとした時、また誰かが肩を叩いた。

 「勇治君!」
 振り返ると女の子が立っていた。
 「あぁ、明美か、おはよう。」
 この子は新田明美。同じ中学で青葉北に合格した9人のうちの1人だ。

 「おはよっ!勇治君は何組だった?」
 「えっと・・・、俺は~・・・。」
 「おーい!勇治ー!!」
 進二が俺を見つけて近づいてきた。

 「勇治、高校でもまた一緒のクラスだぞ!よかったな!俺と一緒で!」
 「おはよう、進二君。進二君は何組だったの?」
 「よう!明美!俺は6組だ。こいつもな!」
 進二は俺と肩を組んだ。
 「そっかー・・、私は8組だから別々になっちゃったね・・。残念・・・。」
 「まあ、落ち込むなよ!同じ高校なんだからいつでも会えるじゃねえか!」
 「それもそうだね!とにかく2人とも、もう3年間よろしくお願いします!」
 明美は丁寧にお辞儀して下駄箱の方に走っていった。

 「よーし、俺らも行くぞ!6組だ6組ー!」
 俺は進二に引っ張られて校舎に入った。

 「しっかしなぁ~、俺とお前も腐れ縁だよなぁ、まさか高校でも同じクラスになるなんてなぁ~。」
 「そうだなぁ、中2からずっと一緒か。」
 「かわいい子いっぱいいるといいな!あー、ワクワクするー!!」

 クラスなんて俺には関係ない。俺が高校で新しい人間関係を築くなんてことは絶対にありえない・・・。
 生徒でざわつく廊下を教室に向かって歩いていった。

 6組の教室が見えてきた。
 と、その時だった・・・。
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