Colorless Life
 「そんじゃあ俺行くわ!部活いってくる!」
 「あ、うん。わざわざありがとう。」
 「んじゃ、また明日!」

 進二を玄関まで送り届けて、部屋に戻った。

 ノートをペラペラとめくってみた。
 そこには授業の日と内容が丁寧に書き込んであった。

 朝倉って、きれいな字を書くんだな・・・。

 ・・・明日、どんな顔して会えばいいんだろう・・・。

 朝倉の字を見つめながら、ぼんやり考え込んでいた。

 次の日、学校についてすぐに職員室へ向かった。

 職員室の扉を開けたら目の前に、少し驚いた顔をした朝倉が立っていた。彼女は学級日誌を持っていた。

 ・・・・・!!!

 驚きの声が出そうになるのをなんとか飲み込んで、朝倉のことは見ないように職員室へ入って行った。

 井上先生の席はすぐに分かった。
 先生の後ろまで行って声をかけた。

 「井上先生、おはようございます。」
 先生は振り返って俺を見ると、あからさまに動揺した。

 「あっ、さ、真田君。お、おはようございます・・・。」
 この人は本当に素直なんだな。思っていることがすぐ顔に出る。

 「ど、どうしましたか・・・・?」
 「月曜日は、すみませんでした・・・。」
 「えっ!?あ、あの・・・えっと・・・。」
 「好き勝手言い過ぎました。本当にすみません・・・。反省しています・・・。」

 「い、いえ・・・。わ、私のほうにも責任がありますから・・・。気にしないでください・・・。」
 「はい・・・。ありがとうございます・・・。・・・失礼します。」
 先生に会釈して職員室を出た。
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