Colorless Life
 「あ、あの・・・・。」
 「部活?」
 俺が聞くと彼女は首を横に振った。

 「委員会の仕事が残ってて・・・・。」
 「そっか・・・。」
 「勇治君は・・?」
 「俺は放課後ここで勉強することにしてるんだ。」
 「そう・・・なんだ・・・。」

 明美は気まずそうな顔をしていた。

 「明美、俺もう気にしてないから。あんま深く考えるなよ。」
 「うん・・・・。」
 彼女はうつむいた。

 そこへ朝倉が走って帰ってきた。
 「ごめん、お待たせ。」

 朝倉は明美と目が合うと、なぜか気まずそうな顔になった。それは明美も同じだった。
 「あ、朝倉・・・さん・・・。」
 「あ、こんにちは・・・・、新田さん・・・。」

 「結構時間かかってたね。」
 「う、うん・・・。部活の練習日を教えてくれることになってたんだけど、その後ちょっと話してたから・・・・。」
 「そっか・・。んじゃ、さっきの話の続きするけどいい?」

 「えっ・・・、真田君・・・朝倉さんと一緒に・・・勉強してたの・・・?」
 明美が必死に絞り出したような声で尋ねた。

 「ん?うん。ちょっと前からだけどな。」
 「・・・・・・。」
 朝倉まで黙ってしまっていた。

 なんだ・・・この空気は・・・・。

 「そっか・・・。じゃあ、頑張ってね・・・・。朝倉さんも・・・、またね・・・。」
 「うん・・・、またね・・・。」
 明美は俺と朝倉を、元気のない目で交互に見てその場を去っていった。

 俺は立ったまま考え込んでいる朝倉に声をかけた。
 「朝倉?座らないの?」
 「あっ、うん。ごめんね・・・。」
 朝倉は俺の隣の机の椅子を引いたが、少し考えた顔をして椅子を戻し、自分の席に座った。

 ・・・・・・??

 「明美となんかあった?」
 朝倉の様子があまりにおかしかったから、そんなことはないだろうとは思いながらも、一応聞いてみた。

 「ううん・・・、なんでもない・・・。よし!さっきの続き教えて!」
 「あぁ、うん・・・。」

 朝倉にさっきの続きを説明した後、俺たちは各自自習を続けた。

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