Colorless Life
　４人を前に授業していると、教室の前の扉が激しく開かれた。
　俺たちは音のした方を見た。

　そいつは俺たちを睨みつけると扉を閉めずにつかつかと教室に入ってきて自分の席に座り、両足を机の上に乗せて窓の外を見た。

　島谷健斗・・・。
　
　去年留年し、実年齢では俺たちよりも１つ上だ。
　留年して以来、勉強する気を完全に失い、学校も休みがちだった。
　たまに学校に来ても、こうやって１人でぼーっとしているだけ・・・。先生たちも結構手を焼いているようだった。

　俺たちはあまり気にしないようにして、勉強を続けた。
　しかし・・・。

　「おい・・・、お前ら。」
　見ると島谷が俺たちを睨みつけていた。

　「ん？どうした？」
　「うるせぇんだよ、少し黙ってろ。」

　佐藤は完全に怯えて、詩織の制服を掴んでいた。

　「そうは言っても、勉強教えてるんだから仕方ないよ。」
　「なら他んとこ行けよ。」
　「待ってよ。ここ教室だろ？勉強してて追い出されるとかおかしくないか？」
　「あぁ？お前、俺に喧嘩売ってんのか？」

　島谷は俺のほうに歩いてきた。
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表紙・目次

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