Colorless Life
 俺はまだ自分の体が自分のものでないような気がしていた。

 「真田。お前自分が何したか分かっているか?」
 橋本先生が椅子に座って俺に話しかけていた。
 「・・・・。」
 「何があった?詳しく話してみろ。」
 「・・・・・。」
 「おい、真田!聞こえてるのか!?」
 「失礼します。橋本先生、私が話します。」
 詩織が職員室に入ってきた。
 詩織は黙ったままの俺に代わって事情を説明してくれた。

 あれは・・・俺が・・やったのか・・・。俺が・・・。

 俺は焦点の定まらない目で、橋本先生の机においてある家族写真をぼんやり見ていた・・・。

 「事情はよく分かった・・・。だが真田、お前がやったのは間違いなく暴力事件なんだ。お前には何らかの処分を受けてもらうことになるが、いいな?」
 「はい・・・・・。」
 やっと言葉が出せた・・・。
 「すみません・・・でした・・・。」
 操り人形のように職員室を出た・・・。

 廊下には進二がいた。
 「勇治!大丈夫か!?」
 「うん・・・。ごめん・・・。」
 「島谷は大丈夫だから、心配すんな。1人で帰れるか?おじさんとおばさん呼ぼうか?」
 「うん・・・。ありがとう・・・。」
 「朝倉、ちょっとこいつ見ててくれ。俺、こいつん家に電話して迎えに来てもらうから。」
 「うん・・・、分かった・・・。」

 進二は廊下を走っていった。

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