Colorless Life
 あれは確か、遥と将来の夢について語り合った時・・・。

 「ふぅ~ん、勇治は弁護士になりたいんだ~。なんでなろうと思ったの?」
 「そりゃ~さ、世の中には困ってる人が沢山いるからだよ!どんな人でも生まれつき悪人なんて奴はいないからな。困ってる人ならどんな人でも助けたいんだ。そのためには法律知ってるのがなんとなく良さそうじゃね?」
 「あははっ!なんかそれ、勇治らしいね~。はっきりしてそうで、してないところが!」

 「なんだよそれ!俺はこれでもかなり本気なんだぞ!そうだなぁ、特に1度犯罪を犯しちゃった人を必死で弁護して助けてあげてさ、その人が俺に感謝して全うな人生を歩んでくれたりなんかしたら最高なんだろうな~。」
 「へぇ~、犯罪者でも助けたいの?」

 「犯罪を犯す人だって俺らと何も変わらない人間だよ。ちょっと人生の路線を外しちゃっただけじゃん。人間、失敗はいくらでもするんだからさ、それだけでお前の人生は終わったよ、な~んてひどすぎるだろ?きっと犯罪を犯した本人が一番苦しんで後悔してるんだと思うからさ!」
 「たとえ、何度も犯罪を犯す人でも?」

 「そういう人をなくしていくのが、弁護士の仕事でもあるんじゃないかな?弁護士が本当にその人の人生を変えてあげたいって思って必死にやれば、その思いはきっと伝わるよ!」

 「いいこと言うじゃん。さすがしっかり考えてるだけのことはある!」
 「だろー!俺をなめんなよ~。」
 「あははははっ!」

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