Colorless Life
 夕食を終えて風呂に入り、部屋に戻ってベッドの上に寝転がった。
 よっちんの言葉を1つ1つ噛み締めながら思い出していった・・・。

 “道に迷ったときはもう1度昔のお前を思い出してみろ。そこに何か答えがあるかも知れねぇぞ。”

 昔の俺・・・か・・・。

 ベッドから起き上がって机に立てかけてあった卒業アルバムから1枚の写真を取り出した。

 俺と遥と進二と明美が笑顔で写っていた・・・。

 これは確かあの体育祭の後、校門前でよっちんが取ってくれた写真・・・。

 「いや~、燃えたな~!最後の最後に逆転優勝か~!」
 「だな~!ギリッギリだったけどな~!」

 「ってか勇治が結局おいしいとこ全部持ってったな~。なんか悔しいぜ・・・。」
 「んなことねぇよ。進二が2人抜いてくれたおかげで勝てたんだぜ!お前相当かっこよかったよ!」
 「おっ、さすが勇治!よく分かってんじゃん!」
 「あはははっ!ば~か、調子に乗んな!」

 「でもさ~、2組はずるいよ~。勇治君も遥も進二君もいるんだもん・・・。最初のトラブルがなかったら圧勝じゃん!」
 「でも、明美だって頑張ってたじゃん!私もさすがに明美は抜かせなかったな~。」
 「あははっ!そりゃライバルの遥にだけは抜かれるわけにはいかないよ~!もう必死で走ったからね!」
 「あはははっ!」

 「まぁ結果はとにかく、みんな頑張ったし、楽しかったからそれでいいさ!」
 「だね~っ!!」

 「おっ、お前ら相変わらず仲良し4人組だな~。」
 「あっ、よっちん!」
 「よっちんじゃねぇっつてんだろ!お前ら今から帰るとこか?」
 「まぁね~、でも今日は4人でパーッとどっか飯でも食いに行きてぇな!」
 「おっ、それいいね~!行こ行こ!!」

 「その前にお前らちょっとそこに並べ。1枚だけ余ってるから、今のお前らのその良い顔、カメラに収めといてやるよ。」
 「わ~い!よっちんさすが~!」
 「だから、よっちん言うなって!ほら早く並べ~、行くぞ~。」
 「ほ~い。」
 「はい、チーズ!」
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