Colorless Life
 詩織の顔をじっと見ていると、詩織はゆっくり目を開けた。
 「おはよう、詩織。」
 「あ・・・・、勇治君だ・・・・。」
 「ったく・・・無茶しやがって・・・・。」
 詩織にノートを見せた。

 すると、詩織はそのノートを見て真剣な顔になった・・・。

 「だって・・・、私、約束・・・したから・・・。」
 「ん・・・?」
 「勇治君が・・・・後ろ向きになってたら・・・・、私が・・・・前向かせてあげるって・・・。」

 ・・・・・・・・。

 「ばっかやろう・・・・、突っ走りすぎなんだよ・・・。落とし穴つくる余裕すらなかったじゃねぇか・・・・。」
 涙を目にためたまま笑った。
 「ふふふっ・・・・。でもよかった・・・。勇治君が戻ってきてくれて・・・。」

 俺は詩織の少し赤らんだ頬に手を当てた。

 「詩織・・・。」
 「ん・・・・・?」
 「俺・・・お前のことが好きだ。」
 「・・・・・。」

 詩織は悲しげな瞳を俺に向けた・・・。

 「好きなんだ・・・・お前が・・・。」
 「勇治君・・・・。それって沢木さん・・の間違いじゃ・・・ない・・・?」
 「あぁ、違う。俺は、沢木遥じゃなくて、朝倉詩織が好きなんだ。」
 はっきり答えられた。
 俺の心の中に、もう迷いはなかった。

 朝倉の目から涙があふれてきた。
 「俺・・・、お前に会えて本当によかった・・・・。」
 「私も・・・、あなたに会えてよかった・・・・。」

 詩織の頭を軽く持ち上げてやさしくキスをした。

 「風邪・・・うつっちゃうよ・・・・?」
 「はははっ、どーんときやがれ。」
 「あははっ・・、なにそれ・・・。」
 詩織はにっこり笑った。

 「勇治君・・・、大好き・・・・・。」

 俺たちはもう1度キスをした。

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