Colorless Life

　かばんから必要な書類を出していると１つ席を挟んだ隣の席から声がした。
　「おはよう。」
　女の子が私に声をかけてくれていた。

　「あっ、おはよう！」
　「朝倉詩織さん・・・？はじめまして、佐藤典子です。１年間よろしくね。」
　「こちらこそ～、よろしくね～。」

　笑顔で返事を返すと、佐藤さんはほっとした顔になった。
　「あ～、緊張したぁ～。私、同じ中学の人がここのクラスにいなくて、すごく不安だったの・・・。」
　「あははっ、それ私も私も。」
　「そうなの！？でも朝倉さんすごくしっかりしてそうだなぁ～・・・。堂々と教室に入ってきてたしさぁ～・・・。」
　「そんなことないよ。内心はドキドキだよ！」

　「はぁ～、人と話せてよかったぁ～・・・。私人見知りだから初日から初対面の誰かと話せるなんて思ってなかったよ～・・・。」
　「でも、佐藤さんが私に話しかけてきてくれたんだよ！」
　私が笑うと佐藤さんも笑顔になった。

　「だって・・・、朝倉さん・・・すっごくいい顔してたから・・・。朝倉さんとなら私、話せる気がしたの。」
　「あはははっ！そっかぁ～。」

　すごくうれしかった・・・。
　そんな風に言ってもらえたってことは、きっと私は昔のように笑えるようになってきてるってことだから・・・。
　私たちはしばらく雑談を交わした。