Colorless Life
 佐藤さんとの雑談がひと区切りしたところで時計を見た。
 もうそろそろホームルームが始まりそうだった。

 「あっ、ごめん。ちょっと友達のところ行って来るね。今日の部活動見学の話してこなきゃ。」
 「うん、いってらっしゃい。」
 私は席を立って廊下に出ようとした。
 と、その時だった・・・。

 目の前に2人の男の子が立っていた。
 私はドキッとした・・・。

 左側の男の子の顔にはすごく見覚えがあった・・・。
 そう、あの子だった・・・・。

 入学試験の日に校門の前で笑っていたあの子・・・・。
 合格発表の日にとびっきりの笑顔で大喜びしていた・・・あの子・・・・。

 ・・・・だけど・・・・。

 今の彼の表情はあの頃とは全く違っていた・・・。
 その瞳にはかつての虹色の希望なんて・・・、ひとかけらも残っていないようにすら見えた・・・・。
 もはや、顔だけが同じ別人という感じだった・・・。
 一体・・・何があったんだろう・・・・?

 どういう訳か、その男の子達も私を見て動かなくなっていた。
 「あっ、あの・・・・、大丈夫・・・?」
 「君・・・、遥ちゃん・・・じゃない・・よね・・・?」
 右側の男の子が口を開いた。
 「えっ・・わ、私?私は・・・。」
 突然の質問に驚き、慌てた。
 「ごめん、なんでもないよ。気にしないで。」
 左側の彼は、そう言い放って教室の中に入っていった。
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