Colorless Life
 ・・・なにがなんだか分からなかった・・・。

 それよりあの目・・・、どうして・・・。
 どうしてあんなに冷たい目になっちゃったの・・・・?
 あの時は・・・、あんなにも暖かく輝いていたのに・・・。
 それに・・・、遥ちゃんって・・・・。

 しばらく彼を見ていたけど、考えても答えは出なかったから、ひとまず優希のところに向かった。

 「優希~。」
 5組の教室で優希を呼んだ。
 「あっ、詩織~。」
 優希も新しい友達と話中だったけど、私を見て私の所に駆けつけてくれた。

 「話してるとこ、ごめんね。今日の部活動見学どうする?」
 「う~ん、そうなんだよねぇ~。詩織はやっぱ剣道続けるの?」
 「うん、私はね。優希は?」
 「どうしよっかな~。実際、部活動に入るかどうかも悩んでるんだよね~。じゃあ、とりあえず今日は見学にだけは行こうかなぁ~。」
 「そっか、わかった。それじゃあ、その時また呼びに来るね。」
 「うん。ありがと~。」
 私は6組の教室に引き返した。

 優希・・・、もう剣道やめちゃうのかな・・・。寂しくなっちゃうなぁ~・・・。

 私と早乙女優希は剣道を通じて親友になった。
 中学の時はお互いライバルで、優希は先鋒、私は大将を任されていた。
 優希の剣道は思い切りがあって、力強かった。
 私はそういう優希の素直なところが大好きだった。

 優希には優希の人生があるんだから・・・。強要するのはよさなきゃね・・・。

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