Colorless Life
 私と優希と水野君は校門に向かって歩いていた。

 「まさか、水野君と一緒に剣道できるとは思ってなかったよ!」
 「ははは、そうだな。でもあんまり新鮮な気はしないな。」
 「それもそうだね~。よく話してたもんね。」

 会話する私と水野君の後ろから、優希は考え事をしながらついてきた。
 「早乙女はもう剣道しないのか?」
 水野君が優希に声をかけた。

 「ん~、そうだねぇ~・・・。まぁ、私はゆっくり考えてから決めるよ!」
 優希はそう言って笑った。
 「そうか・・・・。」
 私は何も言わなかった。

 私たちは校門にやってきた。
 「それじゃあ、優希、水野君、また明日。」
 「あぁ、またな、朝倉。」
 「またねぇ~、詩織~。」
 私は2人とは反対の方向に歩いて行った。

 ふぅ~、1日終わったなぁ~。私の高校生活、楽しくなりそうかな~?
 真っ赤な夕日がビルとビルの間から顔を出した。
 私は夕日を、少し目を細めてぼんやりと見た。

 ・・・真田君・・・か・・・。

 今日、教室の前で見た彼の顔が頭に浮かんできた。

 あんな顔の真田君・・・、見たくなかったな・・・・。
 今日だけ元気がなかっただけ・・・・なのかな・・・・。
 明日は・・・笑顔・・・見せてくれるかな・・・・。

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