改定版・はじまりの季節
「しろちゃん、彼氏いたの?」


碧が訝しげに私を見た。


なんで?


「お父さん、それ一年ぐらい前の話でしょ?
3ヶ月ぐらいで別れちゃったよ。」


彼は、誰かを思っててもいいからチャンスをくれって。


もとから、友達としても仲良かったから。


うまくいくかもしれないと、淡い期待を持ったけど。


やっぱり忘れられなかった。


その後も2人ぐらいとつきあった。


けど、やっぱりダメだった。


私の心には、どんだけ遥人がいるのかな?


「そうか。」


お父さんは、ほっとしたように笑った。


イヤだったのかな?


つきあったのは、それぐらいだけど、告白はたくさんされた。


私なんかかわいくないのに。


友達からは、モテモテで羨ましいと言われたけど。


好きな人の心は、手に入らないから、虚しいよ。
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