改定版・はじまりの季節
けど、同時に気づいてしまった。


そんな恋心は、イケないって。



私にも世界があるように、遥人にもある。


共有できる思い出なんかそんなにない。


だから、なにも言わずに逃げた。



想いを告げることは、とてもじゃないけど、迷惑にしか思われないのは、わかってたから。


だから、逃げるしか思いつかなかった。


けど、逃げてばかりもいられないのも、わかってる。


だから、決めたんだ。


私なりの逃げてもいい期間を。


それは、短大に通う2年間。


2年間に決めた理由は、帰省しなさすぎると親とか妹弟が心配してるから。


そう思ってたら、卒業なんてあっと言う間だった。


ホント、時が経つのって早いよ。
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