【兄と義妹】時空を切り出す光化学
輝いた太陽たち
数日後――
「けんにぃ、現像……」
「おぉ、もうしたのか」
渡された数枚の写真。それぞれ一枚ずつ、目を通していく。
最初の1枚。楓の掃除を手伝った後、リビングで撮った一枚。
我ながら笑顔が引きつっている。
2枚目はキッチン。楓の両頬を摘み、笑顔を作ってやった写真。これはこれで可愛い一枚だ。
3枚目は夕暮れの庭先。4枚目は階段……、と、なんだかんだで、残りフィルム9枚を使い切ってしまった。
どれもこれも、ただ仲の良い兄妹の写真。
……ある一点を除けば。
「楓……、これって……」
「ん、心霊写真」
どれもこれも、ただ仲の良い兄妹の写真。
……9枚全てに、3~4つの、人の影のようなものが、写っている以外は。
「どどどどどどうしよう!? お焚き上げか!? お祓いか!?」
「家族写真」
それでも楓は、いつものように落ち着き払った様子で、ボソリと言い、遠くを眺めながら笑みを浮かべただけだった。