妄想像
家族~お父さん編~
お父さん...?
私のお父さんはいない。
お父さんに会いたい。
お父さんがどんな人で、どんな顔をしているか見てみたい…。
私って可哀想…。
お母さんはいるのに、お父さんはいないなんて…。
学校のみんながうらやましいよ…。
ちゃんと、お父さんやお母さんがいる家族がどんなにうらやましいか…。
でも…
でもよく考えればお母さんがいるだけでも幸せなんだよ…。
いつか、お母さんが私にこう言ってくれた気がする。
「お父さんがいないから寂しいのは、お母さんが一番わかってるよ。でも、捺美はお父さんがいなきゃ産まれてこなかったのよ?それに…、両親がどちらもいない家庭だってあるの。その子たちからみれば捺美は幸せなのよ。」
って…
確かにそうだよ、
でも…
私お父さんの事知らない。
お父さんに肩車や高い高いしてほしかった。
アルバムにだって、写ってるのは、お母さんと私だけ…。
何ひとつお父さんの事知らないのは私だけだよ…??
そんなのズルイよ…
ねえ、お父さん?
もし、どこかでこれを見掛けたら、私だって気付いてくれるかな??
私ね、今でもお父さんとまた暮らせるって信じてるんだよ??
…お父さん。
私…今…
お父さんに…
会いたいです…。