ぽっちゃり恋物語+。
午前の練習試合が終わり、昼休憩。
みなみに連れられて晴が座っているベンチに向かう。
「晴くん!」
呼ぶのが恥ずかしい私に代わり、みなみが呼ぶ。
「はいはい。」
「これ。晴の分。」
「ん。」
私が差し出したお弁当を受けとる晴。
「あ、梓センパイ!」
いつもの笑顔で登場した奏太くんのわたしを呼ぶ声が心地よい。
「…って、えぇ!?」
奏太くんは晴が持つお弁当を見てつぶやいた。
「ちょ、梓センパイどういうこと?晴にお弁当?え?」
笑ってる顔
驚いてる顔
混乱してる顔
ほんの短い時間でコロコロ変わる奏太くんの表情が面白い。
「似てないけど弟なの。」
「姉っす。」
「え?姉弟?」
私と晴を交互に何度も見ている奏太くん。
「え、あ、そうなんですか?焦っ…じゃなくて、びっくりしたー!」
「まぁ、そういうことなんで。お弁当ありがと。じゃ。」
なにかたくらんでいるような微笑みを浮かべながら、晴はチームメイトのもとへと行った。
なんだろ?あの笑い。
「梓、私飲み物買ってくるからちょっと待ってて!」
みなみが走ってこの場をあとにする。
絶対奏太くんと話すために気をきかせてくれたんだろうなぁ。