ぽっちゃり恋物語+。
時間が経つのははやく、昼休みになった。
「委員会いってくるね!」
「うん、いってらっしゃい!」
みなみを見送り、私も中庭に向かう。
着くと、もう浅田くんはベンチに座っていた。
ベンチは日陰になっていて夏のオアシスみたいな場所。
昼休みで騒がしいはずなのに、静かで風の通る涼やかな音も聞こえる。
「ごめんね、遅くなって。」
声をかけると、私の気配に気づいていなかったのか身体をびくつかせる浅田くん。
「わ!…っとごめん。いやいや全然遅くないし!あ、座って」
隣を手で示す。
私はベンチに腰かけた。
「来てもらってありがとう!広野さんと色々話してみたくて。
広野さんはさ、最近変わったね。」
「変わった?」
「うん。男とも話すようになって、男にも笑うようになった。前より明るくなったよ。」
明るく…か。
確かに男の子とも笑いながら話すようになった。
…けど、まだ少し元気がないのをごまかしている部分もある。
たぶん、わかっているのはみなみだけ。