ぽっちゃり恋物語+。
「なんかきっかけあったの?」
「きっかけ?」
「うん、例えば、好きな人ができたとか。」
浅田くんの言うことは当たりだった。
「違うよ!」
でも、私の口から出たのは反対の言葉。
「違うんなら、好きな人とかいない?」
私は静かにうなずく。
「俺、広野さんのこと1年の時から好きなんだ。好きな人いないなら、俺のこと考えてくれないかな?」
えぇ!?私を…好き!?
浅田くんの方を見ると、ほんのり赤い顔をして笑いながら私を見ていた。
告白されたことなんてないから、顔が熱い。
きっと私は浅田くんよりも真っ赤だ。
「広野さんはよく笑ってて、友達に優しくてさ。本当に友達想いだよね。
ちゃんと話したりしたことないけど、いいなって思ってたんだ。
最近あいさつするようになって、笑いかけてくれて。
もっと俺に笑いかけてほしいって思った。
返事はいつでもいいから、とりあえず俺のこと考えてみてくれないかな?
広野さん、聞いてくれてありがとな。」
浅田くんは私に一礼して中庭を去った。