王子様の溺愛カメラマン
親父はニッコリ微笑むと俺とエマを見た。



「うちは大歓迎するよ。ただ向こうの親には俺から言ってもいいかな?」


「え?おじ様がうちの父に?」


「うん。ダメかな?エマちゃんのパパをびっくりさせたいんだ」


「…………」




そうして半ば強引な形で俺の親父がエマ宅に電話をする事になった。






しかも親父はなぜかオカンが風呂に入るタイミングを待っていた。


「私には聞かせられないっていうの~?!」


「はは、別にそういう訳じゃないって」



ぶつぶつ言うオカンを風呂に送り出した親父は、いそいそとリビングに戻ってきた。





「よし!ようやく電話するか!」



親父よ…

何がそんなに楽しいんだ。




俺とエマはソファーに座りながら携帯をかける親父を眺めていた。


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