王子様の溺愛カメラマン
「映画館終わったら公園とか行こうよ」


エマはニコッと笑った。


「日向くんが好きそうな公園が近くにあるんだよ」


「へぇ?どんな?」


「植物公園なんだけど、秋の植物がそろそろ咲いてるかも」



植物公園か…

確かに面白そうかも。


「でもエマはそれでいーのかよ??」


「え?」


「真由美たちこのあとカラオケかゲーセンに行くとか言いそうじゃねぇ?」


実際エマもそういう方が楽しいんじゃね―か?



しかしエマは笑顔で言った。


「そんなの他の子と行けるもん。日向くんといるなら日向くんも楽しい場所がいい」








その時、予告が始まり場内が薄暗くなった。


広告の声に負けないようにエマは俺の耳に顔を近付けた。


「日向くんの機嫌がいいと私も嬉しいんだ~」


そんなことを言うエマに、内心ちょっとドキッとした。


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