きみに伝えた気持ちは(短編)
 違うクラスになっても、遼のうわさはよく耳に入ってきた。



 小学校低学年のときはとっても小さくて女の子みたいに可愛かった遼。

 六年生のときは、私と同じくらいの身長だった。

 でも、中学生になって、急に伸びた。

 背伸びしなくちゃ、同じ目線になれない。



 いつも近くにいた私もびっくりするくらいかっこよくなって、たまに会って、言葉を交わすと・・・不思議とドキドキした。

 クラスにも遼のことが好きだという子が何人もいて、幼なじみだとしった子たちにいろいろなこと聞かれるようになって・・・そのたびに胸がちくちくした。

 

 この気持ちはなんだろうって思った。


 そして、遠くから遼を見るようになって、だんだんとわかってきた。

 そばにいすぎて、一番近いのが私だったから、気がつくことがなかった気持ち・・・
涼が好きだという、私の気持ちにようやく、気がついたんだ。

 

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