きみに伝えた気持ちは(短編）

　そっと、包み紙を破らないようにあける。

　大きな紙袋から出てきたのは数枚のタオルハンカチで、小さなカードが添えられていた。

　手にとると、男の子にしてはきれいな字でこう書いてあった。



　泣き虫の芽生へ


　たくさん、ないても大丈夫なように・・・。




「遼・・・私、泣き虫じゃないもん」

　頬をまた、涙が一滴流れた。



　小さな箱を開ける。メッセージは何も入っていなくて、でも、はいっていたのはペンダントだった。



　かわいらしい小さな四葉のクローバーの形をしたペンダントヘッド。



　手にとって、ぎゅっと握り締めた。




「ふっ・・・ふぇ・・・りょ、う・・・」



　もう、目の奥が熱くて、涙があふれて・・・とめることが出来なかった。