きみに伝えた気持ちは(短編)
 お母さんに怒られた勢いで、遼を引っ張り出して、あんなことしちゃったけど・・・よくできたなと思う。



 やっぱり、好きだという気持ちには、すごい力があるのかな?



 ずっと一緒だと思っていたのに、もう会えないと思ったから、あんなことができたのかな?



 自分でもよくわからない。



 でも、でも、やっぱり、思い出すと、身もだえするほど・・・はずかしいよ。



「芽生!」



 急に、名前を呼ばれて、文字通り、私は飛び上がった。

 

「さっきからよんでるのに、なに一人で、ぶつぶついって、百面相しているんだよ。

・・・正直、変だぞ」



 振り返ると、そこに立っていたのは遼だった。

 

 ずっと、ずっと、大好きだった幼なじみの遼。


 

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