きみに伝えた気持ちは(短編)
2
「びっくりしたぁ」
正直な気持ちを吐き出すと、遼はくすっと笑った。
優しい笑顔。大好きな笑顔。
「そりゃ、びっくりするよな、完璧一人の世界にはいってたし・・・で」
「で? って、なに?」
「なにを妄想してたわけ?」
「それは」
・・・って、いえるわけないじゃない!
キスのこと思い出してたとか、抱きしめてくれた遼が、意外に筋肉質でがっちりして・・・って、なに考えてる、私。
ぶんぶん、頭をふる。
遼が、ふきだした。自転車のハンドルを片手で持ったまま、おなかを押さえて爆笑する。
「本気で、変。そんなに頭振って、目が回るって。変すぎ、芽生」
「へん、へん、いわないでよ!」
ふくれてみるけど、遼の爆笑は止まらない。