わたしの生きる道
姉と兄は徹夜明けで、テンションがおかしいからな。

…わたしも気をつけなければ。

父こと皆藤柊(四十八歳)は、歳にしては落ち着いている。

いっつも穏やかで、怒ったところなんて見たことがない。

母こと皆藤菜雪(四十五歳)は、歳のわりには若く見える。

まだ三十代後半に見えるんだから、我が母なら恐ろしい人だ。

姉と一緒だと、姉妹に間違われてイヤだと言っている。

普通の母親ならば喜ぶんだろうが、母はそれが『母親らしくない』と言われているみたいでイヤそうだ。

そんな個性豊かな家族に、愛情いっぱいに育てられた。

だけどわたしには悩みがあった。

それは進路のことだった。

「はぁ…」

ため息がまた漏れてしまう。

重い足取りで、二階に上がった。
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