わたしの生きる道
「はいはい」

箱を開けて、差し出す。

「へぇ、栗味か。最近の新作、栗味とサツマイモ味が多くない?」

「そういう季節だからでしょ。ウチのおねぇなんて、焼きイモの移動販売車が通る音を聞くと、お財布持ってアトリエ飛び出すよ」

そこは仕事に集中してても、反応するらしい。

「アンタんとこの家族、インドアが多いよね。でもそれで成功してんだから、羨ましい」

「これでも一応苦労してます! おねぇとおにぃはそもそも学生の頃から決めてて、頑張っていたのよ」

姉は元々アクセサリーをデザインしたり作るのが趣味で、高校生になってからは本格的に動いていた。

手作りのアクセサリーショップに三年間、弟子入りも兼ねてバイトをしていた。
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