わたしの生きる道

わたしの悩み

「じゃあ皆藤は将来、手芸で身を立てるんだな? 専門学校とかは行かないつもりか?」

「ちょっと迷っています…」

「そうか」

わたしのクラスの担任は、今年五十歳になる林田先生。

男性で、担当教科は数学。

落ち着いていて話が分かるので、生徒達の間ではそこそこ評判が良い。

今日の授業は午前中で終わり。

けれど午後から二者面談が入っていたので、お弁当を食べてから、職員室へ向かった。

「一応わたしの方で、県内の手芸専門学校の資料を取り寄せといた。目を通すだけ、しといた方が良い」

「あっありがとうございます」

差し出された分厚い紙袋の中には、専門学校の資料がずっしり入っていた。
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