わたしの生きる道
教室に入って十分後に、ぐったりした様子のミホが戻って来た。

「おっ、お帰り。じゃあ行こうか」

「うん…」

駅ビルは学校から歩いて二十分の所にある。

五年前に建てかえられた駅ビルは、いつでも若い人でいっぱいだ。

特に夕方には学生達の姿でごった返す。

ケーキ屋は三階にあって、今日はレディースデーなだけに女子高校生の姿が多かった。

「三時なだけに、人も多いわね。わたし達、出遅れたかな?」

「二者面談なんて面倒なもんがなければなぁ。座れるかな?」

「行って見なきゃ、わかんないって」

グズるミホの手を掴み、店内へ入る。

幸運にも二人分の席が空いていた。

「さて、何を食べるかな」

席には財布とケータイ以外の荷物を置いて、カウンターに向かった。
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