わたしの生きる道
わたしの家族はまず両親、姉、兄、そしてわたしとなる。

手早く五人前の朝食と、一人分のお弁当を作ると、エプロンを脱いで姉と兄を起こしに行く。

まずは姉だ。

姉はリビングにある引き戸を開け、二メートルほどの廊下を歩いて、またある引き戸を開けた先にある。

そこは姉のアトリエ。

このアトリエは五年前に作られた。

しかし姉は仕事のことになると夢中になり過ぎて、しばしば食事や眠ることを忘れてしまう。

そこを心配した両親が、一階のリビングの壁をぶち抜き、引き戸と渡り廊下でアトリエをつないだのだ。

我が親ながら、派手な行動力だと思う。
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