わたしの生きる道
「うん」

ミホは駅前から出ているバスに乗って、高校に通っている。

「それじゃあ、ミホ。月曜日にね」

「うん。気が向いたらメールするから」

「はいよ。んじゃね」

バス停で別れて、わたしは歩き出す。

けれど手芸の専門学校の校舎を見て、ちょっと立ち止まった。

…高校を卒業してから、ここに通うのも悪くない。

親はお金の心配はしなくていいから、自分の進みたい道に進めば良いと言ってくれる。

まあわたしもそこそこ手芸で収入を得ているけれど、それで学校に通えるほどじゃない。

一人前になるには、まだまだかかりそうだ。

そう思うと、またため息をついてしまう。

…ダメだ。寝不足のせいか、まとまらない考えばかりしてしまう。

今日は早めに寝よう。
< 44 / 96 >

この作品をシェア

pagetop