わたしの生きる道
「売れ行き順調みたい。それに他の本も」

続いて既刊の本の売り場も出す。

二枚の写真を見て、母の表情が笑顔になる。

「あら、ホントね。一安心だわ」

「じゃ、本代千六百円、よろしくね」

「…はいはい」

母は少し呆れながら、財布から本代を出してくれた。

「じゃ、リビングにいるから」

「もうちょっと待っててね」

「はーい」

次にリビングにいる姉に声をかける。

「おねぇ、本の様子、見てきたよ」

「あっ、どうだった?」

わたしは姉が座っているソファーの隣に座った。

写メを出して、姉に見せる。

「三冊、本棚に置いてあったよ」

「三冊か。…んっ、まあ一冊よりはマシなのかなぁ?」
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