わたしの生きる道
兄はペンネームを使わず、本名でマンガ家活動をしているので、近所では有名だったりする。

「おにぃ、アニメ化とか映画化する気、ないのかな? もう三年も連載しているんだし、そろそろしたって良いと思うけど…」

「本人いわく、オリジナルの話が入るのがイヤだって。ワガママよねぇ。アニメってそういうマンガとちょっと違ったところがおもしろいのに」

姉は兄ほどじゃないけど、マンガやアニメが好きだったりする。

まあ家の中にこもりっきりだと、どうしてもこういう趣味になってしまうんだろう。

「あっ、カナは手芸の本買ってきたの?」

姉がわたしの膝にある本を見て、声を上げた。

「うん。新刊、出てたから」

「ちょっと見せてもらっていい?」

「どうぞ」

本を差し出すと、早速パラパラ見始める。
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