わたしの生きる道
けれど姉のことについては、わたしとの血のつながりをより強く感じてしまうので、両親には何も言えない。

アトリエにつながる引き戸を、わたしはドンドンと叩いた。

「おねぇ、朝だよ? 朝食できたよ」

「えっ! もう朝?」

中からはハイテンションな姉の声が返ってきた。

…どうやら徹夜で仕事をしていたらしい。

やっぱりわたしの姉だな。

変なところで感心しながら、ケータイをポケットから取り出し、時間を確認する。

「うん。六時半」

「ヤダぁ!」

引き戸の向こうから、

〈ガッシャン ゴロゴロッ!〉

という不吉な音が聞こえてきたので、両耳を手で塞いでやり過ごした。

「キャーッ! 売り物がぁ!」
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