わたしの生きる道
兄はわたしの頭から手を離すと、少し遠い目をした。
「姉さんもそれしか自分にないって…のもあったけど…。でも一番の理由は、きっと…作品を褒めてくれる…好きだって言ってくれる人がいたから、だと思う」
「今の職に就いた理由?」
「うん…。姉さんもオレも、作品作りがまだヘタだった頃に…それでも家族や周りの人に、『上手』だって、『好きだ』って…言われたから、頑張れた。だから今のオレ達がいるんだと…思う」
それはわたしも心当たりがあった。
はじめて手芸をしたのは、小学一年生の時。
田舎に住む祖母が手芸の得意な人で、冬休みに遊びがてら、家族で泊まりに行った時にはじめてかぎ針編みを教えてもらった。
最初に作ったのは、ボサボサのマフラーだった。
「姉さんもそれしか自分にないって…のもあったけど…。でも一番の理由は、きっと…作品を褒めてくれる…好きだって言ってくれる人がいたから、だと思う」
「今の職に就いた理由?」
「うん…。姉さんもオレも、作品作りがまだヘタだった頃に…それでも家族や周りの人に、『上手』だって、『好きだ』って…言われたから、頑張れた。だから今のオレ達がいるんだと…思う」
それはわたしも心当たりがあった。
はじめて手芸をしたのは、小学一年生の時。
田舎に住む祖母が手芸の得意な人で、冬休みに遊びがてら、家族で泊まりに行った時にはじめてかぎ針編みを教えてもらった。
最初に作ったのは、ボサボサのマフラーだった。