わたしの生きる道
「片付けたら来てね」

無情にも姉を見捨て、わたしは本宅に戻った。

そして今度はリビングを通って廊下に出て、地下一階へ下りる。

そう、ウチには地下がある。

ここには季節外れの物や、使わない物を入れたりする部屋の他、書斎や兄の部屋もある。

兄の部屋の扉を叩く。

「おにぃ、朝だよ。朝食できたよ」

「ああ…もうそんな時間か」

か細くも、はっきりとした声が返ってきた。

扉はすぐに開き、ぼんやり顔の兄が出てきた。

「…シャワーを浴びたら、行く」

「分かった」

兄と共に廊下を歩く。

ちなみに三年前に改築して、地下にもおフロ&トイレが作られた。

これは兄の為に、だ。
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