わたしの生きる道
いつもは派手の母の影になりがちだけど、やっぱりウチの大黒柱は父だ。

父の仕事部屋の前に来て、深呼吸を一つ。

そして扉をノックする。

「父さん、入っても良い?」

「花菜か。大丈夫だよ」

わたしが部屋に入ると、父はメガネをかけ、資料を見ながらパソコンの前にいた。

「今、何の作業してたの?」

「母さんの料理の新作レシピの紹介だよ。秋だからね。いろいろ新作を思い付いて、楽しいらしい」

そう語る父の顔は、嬉しそうだ。

「何だか父さんの方が楽しいみたい」

「ん? まあ母さんが好きなことをやって、楽しんでいるのなら、私は嬉しいからな。それよりどうした?」

「うん…。わたしのホームページのアドレス、教えてほしくて」
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