わたしの生きる道
びっくりして聞くと、父はアハハと笑った。

「私は花菜のお父さんだからね。誰に聞かなくとも、顔を見れば何となく分かるよ」

「えっ? 顔に出てた?」

思わず両手で自分の顔に触れる。

「まあそれもあるけどね。…迷っているなら、誰かに聞いてもらうと楽になることもある。私や母さん、それに菜摘や菜月は花菜よりも長生きしている分、いろいろな経験をしているから、相談に乗るぐらいはできるから」

そう言って優しくわたしの頭を撫でてくれる。

「うん」

「花菜が決めることなら、滅多なことでは反対しない。だから悩みは抱え込まないでほしい」

「ありがとう、父さん。でも大丈夫。何となく、分かってきたから」

「そうか。何かあったら言うんだよ?」

「うん。分かった」
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