わたしの生きる道
翌日の日曜日。

わたしは駅前に出てきた。

編み物の材料を買う為に、駅ビルに一人で来たのだ。

午後からは家族で出かける予定があるので、朝早く来ていた。

けれど駅ビルの中で、ミホを見つけた。

「ミホ~」

「あっ、カナ。どうしたの? 一人で」

「急ぎの買い物。ミホは…あっ、ミユちゃんと一緒だったんだ。おはよう、ミユちゃん」

「おはよう! カナちゃん」

ミホの妹、ミユちゃんは小学三年生。

ミホにベッタリで、可愛い女の子。

「あっ、カナ。帽子、ありがとね。今度何か奢るから」

私服のミホは、早速あげた帽子をかぶってくれていた。

「ありがと。でも九月末じゃ、まだ暑いんじゃない? ムリにかぶらなくてもいいよ」

「そんなに暑いってほどじゃないでしょ。それに気に入ったから良いの!」

「ねぇね、カナちゃん」

ミユちゃんがわたしの手をグイグイ引っ張った。
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