わたしの生きる道
「言ってくれるわね!」

静かに火花を散らす姉と兄が近くにいるのに、両親はとっとと朝食を食べ始めた。

なので止めるのはわたしの役目。

「おねぇ、おにぃ、いい加減にしないと朝食冷めるよ?」

「おっと」

「食べる」

二人はすぐさま我に返り、各々自分のイスに座った。

「うん、美味しい! 肌寒くなってきたし、あったかいご飯が嬉しいわね」

姉は満面の笑顔で朝食を頬張る。

兄も黙々と箸をすすめる。

「アンタ達、少しは料理覚えなさいよ。いつまで妹に頼っているつもり?」

母がジロっと睨むも、二人はサっと視線をそらす。

「だってアタシ、料理苦手なんだもん。彫刻なら得意なんだけどなぁ」
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