キャラメルハート
「それにしても藤倉は本当、可愛いよねぇ~」


「……」


「何でそんなに可愛いのに藤倉には彼氏が出来ないんだろ~」


「……」


「俺だったらいつでも藤倉を彼女にしたいのに~」


「……」


「ねぇ、藤倉?俺と付き合っ―――…」


「あぁ~もう、うるさいな!何なんださっきから!」


あたしは勢いよく振り返って聖にまた怒鳴った。


これで聖に怒鳴ったのは今日で二回目。


「何が?」


「何がじゃない!だいたいお前の家こっちじゃないだろ!何であたしと同じ方向に来てんだ!」


「だって、女の子一人帰らせるわけにはいかないでしょ?」


「あたしは別に一人でも大丈夫だ!だから早く自分の家に帰れ!」


「帰れって言われても、もし藤倉が途中でストーカーにあったら俺もう生きていけないよ」


「大袈裟なんだよ!もうここで良いから!わざわざここまでありがとな!もう礼も言ったからさっさと帰れ!」


あたしがそう言うと、聖はあたしに背を向けて頭をかきながら、


「はいはい、分かったよ」


そう言って歩き出した。


あたしも聖に背を向けて自分の家へと向かった。


少し歩くと後ろから声が聞こえてきた。













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