キャラメルハート
「藤倉?何か良い事あった?」


聖が机にタオルを置いて席につきながらそう言った。


「別に。何もない。っで、さっきの誰?」


「この前、後輩にタオル貸したんだよ。そんでさっきその後輩がこのタオル返しに来た」


「ふ~ん」


あたしは机に頬杖つきながらそう言った。


「何か藤倉、さっきと違う」


「何が?」


「だってさっきは顔赤くして様子が変だったのに今はいつもの藤倉に戻ってる」


…くそっ。顔が赤くなってたの見られてたのか…


最悪だ。絶対からかわれる。


よし。平常心だ。平常心を保て、自分!


「別に赤くなんかなってないよ」


「俺見たよ?藤倉が顔赤くして頬に手あててたの。隣に座ってんだからそれくらい分かるよ」


聖が悪戯っぽい笑みを浮かべてそう言った。


「あ、あたしは元々赤いんだよっ…!」


「ふ~ん…そう…。今は全然赤くないけど~?」


「う、うるさいな!そんな事どうでもいいだろ!」


あたしがそう言って机を思いっきり叩くと聖が、


「お~怖い怖い。これから藤倉の事、怪力娘って呼ぶわ」


ニンマリ笑いながらそう言った。













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