仮病に口止め料

「風邪ちが、しつこ、うざ、健康体。ね、ほら、おべんと」

ホッペを膨らませ、むくれた彼女はアホなのかもしれない。

いいや、堪らなく愛しい。

どうやら週二回のランチデートを風邪だからとキャンセルしたくなかった模様だ。

そんな可愛いことを言われたら、単純な俺は好かれているなと嬉しく思う。

これが女子高生の計算だとしても、まんまと騙されたいのが男子高生って生き物だ。

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