仮病に口止め料

「嘘つき女、大丈夫? 帰ろ」

彼女は本格的に体力が無さそうなため保健室に出向くより、

やはり過保護でも職員室で早退届けを出してもらって帰宅するのが一番だろう。

何より俺だって辛そうな顔は見たくないし、お姫様に早く本当の笑顔を取り戻させてやりたい。


……――――この愛情っぷり。

彼氏気取りの今、妙に浮足立ったテンションは、まるでアルバイト中にシステムの不具合でポスが壊れテンパるも、

非日常の状況を嬉しがるアルバイトに似ていた。

つまり、痛いってこと。

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